大判例

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東京高等裁判所 昭和30年(う)2985号 判決

被告人 河合茂

〔抄 録〕

論旨第一点。

判決主文において訴訟費用の負担が命ぜられている以上これを命ずる法令上の根拠を示すべきは事柄の性質として当然とするところであり、原審が被告人に有罪の言渡をするに当り訴訟費用負担の言渡をしながらその負担を命ずる法令上の根拠を示さなかつた点には、その当を欠くもののあることは否めないけれども、有罪の言渡をするに当つて訴訟費用負担の言渡をしなければならないことは、刑事訴訟法第百八十一条第一項の明定するところであるばかりでなく、これが負担の言渡は、本来、罪となるべき事実自体に何等直接の関係を持たないのみならず、刑の言渡にも当らないのであるから、原審が、その判決に、その負担を命ずる理由ないしはその命ずる法令上の根拠を特に示すところがなかつたからといつて、これをもつて、敢て判決に理由を附さない違法があるということはできない。所論は採用し難く、論旨は理由がない。

(三宅 河原 遠藤)

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